多言語サイトを立ち上げるなら、まずサイトの立ち位置を考えよう

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コンクリートファイブジャパン 菱川です。

多言語サイトを立ち上げたいが、どのCMSを採用すべきか?どのような構成で構築すべきか?というご質問をいただきますので、普段お答えしている内容をご紹介したいと思います。

ズバリ、CMSや構成を考える前に、そのサイトが下記の図のどの位置にあるのか?を考えていただきたいです。

グローバルマーケティングを必要とする企業の場合、その規模によっても異なりますが、ひとつのサイトで全てが完結するという事例はあまり聞きません。おおざっぱに分類してしまうと、サイトのターゲットユーザーの広さによって、3パターンに分類できます。

地域や言語を通して統一したグローバルサイト、 APACやEMEA、NCSAといった広域単位で考えるリージョンサイト、日本、中国、イギリスといった国単位で考えるドメスティックサイトの3つです。

 

 

グローバルサイトは、国境を越えてビジネスを展開する企業にとってのコアコンピタンスに位置付けられる、地域を問わない共通のメッセージの発信や、CSRなどの企業としての取り組みを公開することが主な役割になります。個々の製品については掘り下げません。各言語のコンテンツは基本的に同じになります。

ITソリューションやハイファッションブランドなど、世界共通で統一したブランドイメージとメッセージでマーケティングを展開している企業であれば、このグローバルサイトひとつで顧客への情報発信もまとめて行えるかもしれませんが、そう言った企業は意外と少ないものです。多くの企業は国ごとの顧客行動の違いや競合他社との差別化に合わせて、マーケティングを調整していますよね。

そのため、ひとつのグローバルサイトで完結せずに、国ごとにサイトを立ち上げる方が多いと思います。この場合、どこまで国独自の表現を許すべきかというコンテンツルールの設計が重要になってきます。また、そのルールも画一的ではなく、その国での自社ブランドの浸透度によって変えることがあります。

 

例えば、あの「世界共通」の代名詞のように思われがちなコカ・コーラでさえも、ウェブ上のコミュニケーションは地域ごとに最適化しています。

まず、アメリカのコカコーラブランドのサイトです。さすが超大企業、CMSがAdobeですね…。

 

次に、日本のサイトを見てみましょう。ヘッダーに共通性が見られるものの、表現や構成はかなり異なっています。日本市場の大きさや、日本支社の独自性が伺えます(CMSも日本はAdobeじゃないし…)。

 

一方、共通化された地域も多くあります。チェコ、インド、タイのサイトをご紹介しますが、テンプレートは同じで内容が違うというパターンです。バナーの表現やコンテンツ量に差がありますので、地域ごとの予算の違いが伺えます。

 

最後に、イスラエルです。理由はわかりませんが、完全に独自デザインが許容されていることがわかります。もちろん、コカコーラグローバルサイトからリンクで飛べます。

 

ここまで、顧客に直接訴えるブランドサイトを見てきましたが、コーポレートサイトは日本も含め、統一されたテンプレートで言語を切り替える方式となっています。

 

グローバル展開を考える時、ついサイトに翻訳機能をつければいいと考えてしまいがちなのですが、このようにコカコーラでさえも、きちんと地域ごとのマーケティングとの整合性を考えた上で、言語を切り替えるグローバルサイトに組み込むべきか、地域独自のドメスティックサイトを立ち上げるべきかを判断していると言えます。これから海外展開しようという企業であれば、なおさら日本のマーケティング戦略がそのまま使えないのは自明ですから、無理に多言語サイトにするよりも、新しいサイトを立ち上げる方が良い場合があるでしょう。

 

一方、国ごとのサイトをあまり必要としないパターンもあります。それがグローバルとドメスティックの間にあるリージョンサイトです。例えばEU圏内のみとか、東アジアのみがターゲットとなるようなサービスや製品を取り扱う場合です。この場合は、ひとつのリージョンサイトで言語を切り替えれば足りますし、地域間でマーケティング資産の流用を容易にするためにひとつのCMSで完結した方が望ましいと言えます。

 

このように、一言で多言語サイトをどのCMSでどの構成で作ればいいのか?と言っても、その目的や性格によって異なってきます。そのため、冒頭のグローバルを中心にした図の、どの位置に該当するサイトを作るのか?ということを、一度整理してみてください。

 

最後に、では concrete5 であればどういったご提案になるか?をお話ししたいと思います。

以前の記事でもご紹介しましたが、concrete5 の特徴は、その柔軟なコンテンツ作成機能により、ひとつのCMSで完結させながら、言語ごとの独自性を出すことができることです。言語切り替え機能がありますので、グローバルコーポレートサイトにも使えますが、地域の特色を出す必要があるブランディングサイトに使っていただいた方が、concrete5 を採用するメリットを出していただけるのではないかと思います。

また、concrete5 に多言語機能は備わっているものの、将来的にこの機能を使うことを見越しつつあえて最初は使わず、まずは新規に立ち上げる海外向けサイトから concrete5 で構築するというご提案もしています。

 

いずれにしても、「多言語サイトだからこう」と一概に言えないのは、企業ごとにグローバル市場でのマーケティング戦略は異なるものだからです。弊社では CMS を導入してから不満が出ないよう、こうした企業のグローバル戦略上に正しく位置付けた CMS 導入を考えることを推奨しています。お気軽にご相談ください。

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