「Webディレクションの新標準ルール」を読んでみた

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はじめに

コンクリートファイブジャパン株式会社 入社2年目(Web業界も2年目)のディレクターの秋山です。
全くの異業種からのWebディレクターへの転身で「右も左もわからない 」状態で、幸運にも入社させていただいた身であります。
入社当初は、一人焦るばかりで、わからないことがある度にググり、理解するまでに時間もかかり、それが本当に正しい情報なのかもわからず、中々苦戦をしておりました。
そんなある日、社長の菱川に買ってもらったある本が、「Webディレクターとは何かを掴むのにぴったり!」という、自他共に認める大ヒット本だったため、レビューを書くことにしました。
このレビューは主に自分の記録用なのですが、もしかしたら、私のように「未経験だけどWeb業界に挑戦したい」と思っている方が居れば、少しでも参考になると嬉しいです。
 

本の紹介

今回ご紹介したいのは、「Webディレクションの新標準ルール」という本です。

この本の著者である栄前田勝太郎さんと岸正也さんは書き出しに、「この本がプロジェクトに関わるすべての人にとっての教科書になるように」と記されています。

Webディレクターは(に関わらずですが)永遠のOJTで知識と経験を養っていくしかないと思っていたので、この本の親しみやすさにとても感動しました。Web業界1年生には本当におすすめの一冊となっています。

本全体の構成は、プロジェクトのフェーズごとに5つのチャプターに分かれています。
最初のチャプター1に「Webディレクターとは何か」がギュッと凝縮されており、後半は実践系の内容になっています。この構成もわかりやすく身につきやすいと思うポイントだと思います。

個人的にこの本の好きなところは、基礎知識についての丁寧な解説と大量の図解です。

本書は、とにかく図で説明してくれます。「専門職に質問しているディレクター」という2人の人間と→だけが描かれた図もあるくらい、多くの図解をしてくれています。プロジェクトやWebサービス、商流など、Web制作の現場で登場する様々な「フロー」について、基礎的な流れ全て網羅されており、実際の案件でもとても活用できました。

 

 

そもそも”Webディレクター”とは何か?

まず、プロジェクトには様々な役割のメンバーが関わっていますが、その中でも”Webディレクター”ってどのような役割を持っているんでしょうか?
Webという業界が最近では、Webディレクターにもプロデューサーやプロジェクトマネージャー(PM)のような、多様なマネジメントスキルも求められるようになっているようですが、Webディレクターの基本とは、そのプロジェクトのゴールに向けて、制作に関わる折衝や進行管理を滞りなく行う人です。
もちろん、+αのいろいろな能力を兼ね備えたスーパーマンが居るに越したことはありませんが、まずWebディレクターに求められてることは、プロジェクトを成功に向かわせる良い進行をする力なのです。

では、そんな良い進行を目指すために、Webディレクターがすべきことは何なのでしょうか?
それは要らないようで実は要る、抽象的で難しいお仕事なんです。

 

 

経験値を補うためにすぐに実践できること

Webの知識や経験がないからと言って、できることが何もないわけではありません。何も知らなくても、すぐに実践できることがたくさんあります。
そこで今回は、良い進行ができるWebディレクターを目指すために、経験がなくても今すぐできることをピックアップしました。
またこのような基本の積み重ねが、チームのためになったり、はたまた良いWebディレクターに繋がる1つ1つになるのだと思います。

 

例え的外れな質問だったとしても、必ず質問やフィードバックを出すこと。

入社1年目の私は、以下のような遠慮から、疑問に思ったことを確認したり、自分の意見を発信したりしていませんでした。(この時期はディレクターとしてプロジェクトに関わる意味もわかりませんでした…)

  • どうせ自分だけが知らないことだし、みんな忙しそうだ…わざわざ聞くのも悪いから聞かないでおこう…
  • 専門職の人が言っているからには間違いないはないんだし、意見するのは差し出がましいからやめておこう…
  • 何も知らない私がここで意見する資格なんてないよなあ…
  • でも実は、例え的外れなことを聞いてしまったとしても、それが今後の糧になるかもしれないし、見えない部分の発見につながるかもしれない。つまり、わからないことは聞くべきなんです。

「もしかしたら自分以外の人も知らないことかもしれない。知らないことは知ってる人に聞くべきだ。」と同じ時期に同じようなことを菱川からも言われたことを覚えています。
その後は、わからないことはわかる人に、とにかく聞くという姿勢に変わり、そのことが自分の知識や経験につながっているのが実感できるし、もっと自分ができることを増やそう、これがあったらもっといいんじゃないかという、より良い方法は何かを考えながら仕事をするようになりました。

また、以前に感じていた私の”遠慮”が、制作に関わること全てを自分以外の人に丸投げしているということに気付きました。

知らないことが多くて自身ないからこそ、今後も意識的に取り組んでいきたいと思っているトピックです。

 

日頃から多くのWebサイトを見る

とにかく「Webサイトとはどういうものなのか」を知ることが大切です。
Webディレクターは様々な領域で様々なことを考慮した上で、最善の手段を選択をしなければいけません。そのためには今どんなものが主流なのかをまず知る必要があります。
それを知るには、多くのWebサイトを日頃から見ておくことが1番の近道であり大切な手段です。

ちょっと余談ですが、最近よく見るのはMUUUUU.ORGというサイトです。
MUUUUU.ORG 縦長のwebデザインギャラリー

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従来のまとめサイトと比べて、比較的デザイン性のあるサイトを中心にまとめてくれているので、サイトデザインの傾向がとてもわかりやすいです。更新頻度も高いので常に新しいサイトを見ることができます。
また知らないデザインを見るところから、SEOの知識に繋がったりいろんな業界について知るきっかけになったりと、デザインから派生して学べることも多いと思います。

 

ドキュメントを作ってみる

モノマネでも良いので、とにかくドキュメントを作るとそのプロジェクトの特徴やサービスの理解が深まります。

本書を見つつ、社内の先輩方に支えられつつ、ワイヤーフレームやサイトマップ、画面設計書などを作成しています。弊社ではG Suitかnulab社のcacooをよく使います。
cacooは無償版を使用していますが、プリセットされたテンプレートが充実しているので、デザインスキルなどがあまりなくても、ワイヤーフレームや簡単な構成図がすぐに作成できるので重宝しています。共有もURLで簡単にできますし、閲覧制限も可能です。
最近は、ドキュメントはG Suit、構成図はcacooというパターンができてきています。

 

 

ディレクターに必要なスキルについて

次に、より具体的な"スキル"についてのお話です。

本書によると、企画力、分析力、課題抽出力、管理能力、リーダーシップ、ドキュメント作成力、チームビルディング力、が主に必要になるスキルだそうです。

それぞれの必須スキルについて考えてみたところ、このような分類となりました。

目標設定に必要なスキル

  • アクセス解析スキル
  • 企画力

進行管理に必要なスキル

  • ドキュメント作成スキル
  • 予算管理能力
  • チームマネジメント能力

コミュニケーションに必要なスキル

  • プレゼン能力
  • チームビルディング能力
  • リーダーシップ

このことから、ディレクターに求められているのは、専門的なスキルや知識ではなく、プロジェクトをきちんと進める力にあるのだと思います。
一度に全てを網羅するには難しいですが、それぞれに関係し合っていて、それぞれのスキルの目的とその必要性をしっかり理解して、励むことが大切だと思います。
 

 

プロジェクトにおいて心得ておきたいこと

本書で紹介されていた特に大切な心得をまとめたいと思います。
これらのことは初心者・ベテランに関わらず、常に意識すべき点と言えると思います。

プロジェクトの成功は、プロジェクトがスムーズに進むことだけではなく、実際にユーザーの目に触れてから始まることである

昨今のWebディレクターに求められるスキルは、ただ成果物を完成させると言うことに留まらないそうです。クライアントがWebサイトを使って何を実現したいのか、実現した先に何を求めているのか、などを引き出して、実現成功に向かって共に進んでいけるような存在が求められています。

いかなる時もユーザー目線で成果物をチェックする

気になることを黙っていたり、自分たちなりの良いものを作ったと思っていても、ユーザーに喜ばれる、使ってもらえるものにならなければ、結局それはもったいない結果となってしまいます。
本書では、Web制作においてユーザーファーストの精神を忘れないことがとても大切で、その「ユーザーファーストの本質は、ユーザーの本質的な要求に応えること」とあります。
例えトレンド大盛りのキラキラしたデザインのサイトではないとしても、伝えたいことが伝わってそれをユーザーが良いと思うのであれば、それが良いものになるということなのです。奥が深いですよね。
またプロジェクトの方針がブレてしまいそうな時も、ユーザー目線に立ち返ることが大事だそうです。
制作側であるということに囚われず、本質的な目的をしっかりと理解できることが良いディレクターとして大切なことなのです。

Webディレクターは常にプロジェクトの発生に備えること

本書では、「プロジェクトはいつどのタイミングでどんなものが舞い込んでくるかわからない」とあります。実際にもその通りです。
特にWebディレクターは企画から携わることもあれば公開直前にアサインされることもあり、参加するタイミングがプロジェクトによって様々あると思います。
どのような場合であっても、しっかりとプロジェクトの目的とゴールを理解し、積極的に携わることが大切です。
そのためにも、日頃から会社が抱えている様々なプロジェクトの概要を把握したり、どのような方法でプロジェクトが進んでいくのかを意識したりすることが大切です。

追加与件に対して「無理」と即答しない

スケジュールやコストに限りがあるからと言って、「無理」と即答するのはディレクターとしてディレクションの仕事をしていないことになります。
しっかり検討をして、調整した結果それでも実現できない仕方がない状況もあると思いますが、そうでない場合もあります。
しっかりとプロジェクトの全体像を把握し、その上で良い結果を実現できるように調整を重ねることがディレクターの使命なのです。

チームメンバー全員が”知っておくべき情報”を”全て知っている”こと

「このプロジェクトのゴールは何なのか」
「ゴールに向けて私たちは何をしなければいけないのか」
細かいことでもとにかく明確にして、プロジェクトに関わるチームメンバーみんなで共有することが大切です。
そういった見えないゴールやミッションをみんなに「明確に見える化する」こともディレクターがやるべき必要な仕事だと思います。

良いチームになるために必要な3つのこと

  • 明確な目標とゴールの設定
  • メンバー各自の役割の理解
  • メンバー間の情報共有、自発的なコミット

これらを実現して各自がベストを発揮できる環境を作ることが、ディレクターの存在意義だと思います。そんなディレクションができるディレクターを目指したいです。

 

 

おわりに

この本を通じて、全てではないものの、Webディレクターがすべきこと在るべき姿を知ることができました。
これからもこの本を教科書として活用しながら、また自分が迷った時に立ち返るものとしておきたいと思います。

そして、実は今、弊社コンクリートファイブジャパン株式会社はコーポレートサイトのリニューアルプロジェクトを進めています!弊社の思いがこもった素晴らしいサイトになることを直近の目標として、社内のみんなと力を合わせて成功させたいと思っています。

また、今後も様々なプロジェクトに携わらせていただけるように、自分自身のスキルアップに力を入れていきたいと思っています。
入社から実践通して経験させていただいたことや学んだことを糧にしながら、お客様や会社のお役に立てるよう、良いWebディレクターを目指してこれからも頑張ります!


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