コンクリートファイブジャパンが考えるWebディレクターとはどんな仕事か

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コンクリートファイブジャパンでは現在Webディレクターの採用を進めており、その度にWebディレクターというポジションに求められるスキルについてお話ししているのですが、なかなかミスマッチも多いなと感じています。過去の経験のお話などをうかがっていると、Web制作業界におけるディレクターと言うポジションでやっていることって、本当に様々なんだなと思います。

そこで本稿では、私が思う「ディレクターとはどんな仕事か?」をまとめておきたいと思います。自分ではそんなに変なことは言っていないと思うのですが、もしあんた達の会社のWebディレクターって、かなり特殊だよ!と言うご指摘があればこっそり教えてくださいw

 

Webディレクターはなぜ必要か

まず弊社の事業ですが、大きく分けて2つの領域があります。

ひとつは、受託開発。お客様からのご要望をヒアリングして、ビジネス上の課題を解決するWebサイトやWebサービスを、concrete5 を基盤として開発するのがお仕事になります。

もうひとつは、保守サポート。concrete5 で弊社が構築したサイトが、弊社以外の制作会社様が構築したサイトかに限らず、concrete5 のアップデートと不具合調査に対応し、安全かつ安定したWebシステム基盤の提供を支援するお仕事です。

Webディレクターが必要になるのは、主に前者の受託開発プロジェクトになります。受託開発においては、予定された納期に予定された納品物を納めることこそが全て。そして、放っておいても納まらないのが受託開発というもの

フリーランスとして個人で対応する規模の案件であれば、受注してから1週間〜1ヶ月くらいで完成に近づくと思います。関わる人間もクライアントと自分の1対1ですので、シンプルです。何となく作業をしていても納まったりするものです。

しかし、企業として、チームとして対応していると事態は複雑です。まず案件規模も大きくなりますので、3ヶ月後〜半年後〜1年後のゴールに向けて動かなくてはなりません。また、各自の役割も細分化されます。典型的な弊社でのプロジェクトであれば、デザイナーフロントエンドエンジニアPHPエンジニアインフラエンジニアCMSサポートが関わりますし、さらに社外のクリエイティブに強いデザイン会社、SEOに強いSEOコンサル会社、AWSに強いMSPなどとも連携する必要が出てきます。

その結果どうなるかというと、放っておいても誰も何もしません…。「誰も」というのは、クライアントもです。クライアントのプロジェクト担当者も、日常のWebサイトの更新などは担当していても、Webサイトのリニューアルのような大きなプロジェクトに関わるのが初めてだったりします。業者にどう指示したら動いてくれるか、というノウハウをお持ちの担当者に当たる方がレアケースかもしれません。

これがWebディレクターが必要な理由です。プロジェクトのゴールを定義し、そこから逆算で必要なタスクを考え、誰がいつまでにやるかを決める。各タスクは、本当にアサインしたメンバーでやれるのか、タスクの裏に隠れたリスクはないのか、タスクが進み始めたら今度は遅れていないか、想定外のトラブルが起きていないか、タスクが終わったのなら本当に終わったのか、本当に終わったなら次の人に指示をする…。こういう人がいないと、本当に誰も何もしないまま、ただ時間が経ってしまいます。恐ろしいですね!それだけ、Webディレクターはスペシャルで重要なポジションということです。

 

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弊社が求めるディレクター像

ディレクターについてのお話をしていると、学生時代に打ち込んだミュージカルのことを思い出します。大学時代は音楽科に所属していたのですが、大学から研究費の助成が出ると聞き、書類を揃え、資金を調達し、大学の予算でミュージカルを作って遊んでいました。そのあたりの経験はどちらかというと経営の方に役立っていると思いますが、閑話休題。

ミュージカルは、公演と言うゴールに向かって動くプロジェクトと言えます。当時、まず役職として監督とディレクターを分けました。そして監督には、芸術面でのクオリティに責任をもたせました。一方、ディレクターは公演の実現に責任を持ちます。芸術的なクオリティの向上したいと言う立場と、予定した日時に公演を実施すると言うスケジュールを守る立場は、当然対立します。これをひとりでやることも可能だとは思いますが、担当者が分かれていてギリギリでせめぎ合うことで、より良いクオリティが実現します。

私は、Web制作も同じだと考えています。弊社は特殊なチームです。こと CMS に関して、concrete5 に関しては、卓越した技術力・開発力を発揮しなくてはなりません。誰でも作れるサイトを作っていては、「コンクリートファイブジャパン」と言う社名の会社は存在できません。そのため、役職としてCTOを設置し、技術力とクオリティの向上に努めています。

そして、スケジュールを守ることとクオリティを高めることは、しばしば対立します。そんな時、Web制作業界ではデザイナーやコーダー出身のディレクターも多いため「遅れた部分は自分でやってしまって間に合わせる」と言うケースが多いように思います。しかし、それはミュージカルにおいて監督が求めるクオリティを実現するために、ディレクターが一部のシーンで代役を演じ、舞台背景の着色を手伝うようなもの。こう言うと「あり得ない」って分かりますが、なかなかそうなっていないのがこの業界の現実ではないでしょうか。

自分でやってしまうのは二流。ではどうすればいいか?

 

コミュニケーションでプロジェクト進行の様々なトラブル解決する

手を動かすのではなく、口を動かす。それが私が思う理想的なディレクターです。

タスクの進行が遅れているなら、メンバーになぜそれが遅れているのかていねいにヒアリングする。プロジェクトに必ずしも必要ないクオリティを求めているのであれば、全体の進行と比較して、継続させるのか切上げさせるのか判断する。

あるいは、当初思っていなかったトラブルやリスクが発覚して遅れているのかもしれませんので、その場合はクライアントに出向きスケジュールの変更や仕様変更を交渉する。

頭ごなしで一方的な指示や恫喝は論外です。相手の意見を真剣に聞きながら、一方では頭の中で本当にそうか?他の手段はないのかと言う疑問を持ってください。その疑問を別の人に相談し意見を求めることも必要です。

こうしたプロセスにおいて求められるのは、常にコミュニケーションスキルです。ディレクターはWBSやワイヤーフレームなど、様々なドキュメントを作る必要がありますが、結局は上に書いたようなプロセスを円滑に進めるための先人の工夫と言えます。コミュニケーションに困ってからの方がかえって実感が湧くと思いますので、そういうものがあるのか、程度に最初は思っておく方がいいかもしれません。

Webディレクターの採用を進める中でも、これらのドキュメントの運用経験はそこまで重視しておりません。むしろ、いろんなタイプのクライアントがおられますので、ツールや手段に固執せず、自分を合わせていく柔軟さも必要かと思います。

 

Webディレクターになるのに、技術力は必要か?

いろんなご意見があるとは思いますが、私としてはWebディレクターになるのに技術力、HTMLやCSSなどの実装経験は全く必要ないと考えています。もちろん、何かしら経験がある方がコミュニケーションは取りやすい局面は多々あるとは思いますが、弊社はフロントエンドからバックエンド、インフラ、セキュリティと非常に幅広い領域のスタッフが所属していますので、全員と同じレベルで専門的な話ができる人なんで、いるわけがありません。私もそんなの無理ですし。

実際に、弊社にはWeb業界未経験で、入社してから初めてHTMLを知った、というディレクターも所属していますが、HTMLのことを知らないとやっぱりダメだな、などと思ったことは一度もありません。高めていってほしい職能はやはりコミュニケーションスキルだと考えています。技術的な知識は、浅く広く勉強していけばOKです。

一方、チーム内でのコミュニケーションや、クライアントとのコミュニケーションは、我々のようなIT企業では対面で行われる方が少ないです。メールやSlack、Hangout、Backlogなど様々なチャネルを使いこなす必要もありますので、これらのツールを使いこなすITリテラシーはむしろかなり重要だと思います。

 

concrete5 Japan Team

Webディレクターにチャレンジしよう!

弊社が、というより私が思うWebディレクター像について、伝わりましたでしょうか?弊社では、円滑なプロジェクト進行のためのチームの構築を進めており、各ポジション全て積極採用しているのですが、特にディレクターは優先して募集しております。興味がある方は、こちらからご応募くださいませ!

また、本項で書いたようなディレクターに成長するには、サービシンクの名村さんをフォローするととっても有益だと思います。最近特に積極的に発信されていて、本項もそれらの発言に触発されて書かせていただきました。ぜひ。

Photo by Elevate DigitalRuca Souza from Pexels


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